ベネズエラ、そして世界の皆さん、ごめんなさい

僕たちはウソつきです。

スポーツの世界で、僕らはこの50年、ほんとにフェアにやってきた、という自負がありました。

スキージャンプ競技で、板の長さを制限されてしまっても、

競泳でバサロが禁止されても、

僕らは黙々と、正々堂々と戦ってきたつもりです。


でも、1度でもウソをついたらウソつきだし、1度でも卑怯なことをしたら、卑怯者なのです。

まあ、少なくとも今後10年くらいは、ウソつき、卑怯者と言われても文句は言えないですね。




WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ、2-1の判定で亀田興毅が勝利。




ええと、見ていた方には今更言うまでもありませんが、鬼塚くんの時を上回る、悪辣な判定でした。


個人的に、亀田くんは思っていたよりよくやっていたと思う。
なかなか根性もあったし、スタミナもあった。パワーはもちろん上回っていた。

足りなかったのはテクニックだけだ。

ものすごく下手だ、ということが、ああいう舞台に立つとよくわかる。

スポーツジャーナリズムも、さすがにここまで明白な判定は叩くだろう。上記リンクの、読売の記者さんも「信じられない判定だった。亀田が新王者となったが、試合内容は完敗だった。」と書いているからね。

遠からず、「TBSの命綱は蜘蛛の糸だった」ということが白日のもと、さらされることでしょう。心配はありません。


僕が心配なのは、亀田くんの心に残るトラウマだ。

スポーツでも、バクチでもそうだが、八百長やズルをやったことがある人間と、そうでない人間では、その後の人生が大きく変わってしまう。

勝ち負けでウソをついたことのある人間は、生涯その後ろめたさにとらわれることになる。それが幼少期であればあるほど、深い傷になる。以後の人生、その傷に常につきまとわれ、その傷に支配されて生きることになる。

仲間内の麻雀でさえそういうことが起こる、ということを俺は良く知っている。いわんや、あの大舞台だ。


それは、「呪い」といっていい代物だ。

つまり亀田くんは、試合のたびに、死ぬまでつきまとう呪いを毎試合かけ続けられている、というわけだ。


何と悲惨な19歳男子だろうか。


おそらく、彼にかかった「呪い」は後戻りできないレベルまで来ている。

一生「ウソつき」のトラウマに支配される人生。

それは想像を絶する過酷なものになるだろう。

まあ、児童虐待というやつですよ。


おそらく、彼は長ずるに及んで、ものすごく周囲に迷惑をかける人間になるだろう。悪いやつではないのだけれど、さすがにあれほどの「呪い」を跳ね除けられるタマとも思えないし。オヤジ譲りの社会のダニ一直線。


哀れだ。