PRIDE無差別級GP決勝戦〜伝説の一夜
さいたまスーパーアリーナに行って参りました。
ナンバーシリーズ初期から、ペイパービューやら何やらで観戦し、東京に来てからは会場にも足を運んで参りましたが、昨日のPRIDE会場の熱は、これまでの観戦経験の中でも屈指のものでした。
試合内容としては、皆さんおそらく同じ感想だと思いますが、無差別級GPの試合と、ワンマッチの試合の間の熱の差がはっきりと出た感じでしたね。
・ミルコ vs シウバ
戦慄のハイキック一閃。
という言葉で語り継がれることになる試合でしょうけれど、何より圧巻だったのは、ミルコが止まらなかったこと。立っている時はもちろん、グラウンドになってもミルコの前に出る圧力、パウンドの回転スピードが止まらなかった。
もしもミルコのラッシュが、いつものように「冷静さ」にコントロールされたものであったとしたら、百戦錬磨のシウバであれば、あのケースからの逆転もありえたのではないかと思う。
けれど、「今日は僕の日だった」とミルコ自身が語るように、この日のミルコに隙はなかった。ミドルキック2発と、パウンドでふさがった右瞼が致命傷だった。あばらをかばいつつのガードでは、死角から飛んできた左ハイはブロックしきれなかった。
・ジョシュ × ノゲイラ
文句なしに、この日のベストバウトだった。
判定そのものは実際スプリット2−1でジョシュだったことからもわかるように、きわどいものだったが、何より、あのノゲイラが関節で極められかけた、ということが総合格闘技ファンにとっては衝撃的。ヒョードル以外には初めての敗北を喫してしまったノゲイラだが、その力に衰えがあるようには見えない。それだけにジョシュの株が上がった試合だったと思う。
・(決勝)ミルコ × ジョシュ
確変状態に入ったミルコに対し、最後まで冷静さを失わず、さばききったジョシュは立派だった。最後のタップも、冷静に状況を見た上で、危険を察知したうえでのもので、むしろ格闘家としての完成度の高さを感じさせるタップだった(どこかの団体のように、死にそうな選手にタオルを投げないセコンドや、止めないレフェリーとはえらい違いだ)。
ミルコ・クロコップの日、だったね。
おめでとう、ミルコ。とりあえずは無冠の帝王返上だ。
今の君なら、ヒョードルにも十分に勝ちうる。だいたい、2005年の8月28日だった、十分に君の勝ちの目はあったと僕は思っている。
きっと今回の活躍で、少しはファイトマネーだって上がるのだろう? 2000万円の副収入も入ったんだ。頼むから、PRIDEのリングに上がり続けてくれ。UFCの選手とは交流戦ってことで。よろしく頼むぜ。
追記:これだけ熱い熱をもったスポーツイベントを映さない地上波テレビ局というのは、商売人としてほんとどうかしてる、と思う。