ストレス考
ストレス軽減とかストレスのない生活をとかいう見出しがよく踊っている。
ストレスは、現代社会において無条件に「忌避すべきもの」とされている。
あるいは、「よいストレスと悪いストレス」とか「適度なストレス」とか言い方でごまかしている場合もあるけれど、基本的にはストレスは悪しきもの、避けるべきものと位置づけられている。
でも、果たしてそうだろうか。
僕は何となく、僕たちの社会にこれだけ自殺が多く、これだけうつ病が多い理由は、日常的なストレスを忌避する文化のせいなんじゃないかと感じている。
わずらわしいこと、めんどくさいこと、重いこと、しんどいこと。
これらのことが、人間存在にとって致命的につらいことになるケースは、実はさほど多くない。
プラスマイナスという言い方はしたくないが、せいぜい「トントン」というところだという気がする。
単純に、しんどいことをやれば報いがある、なんてことをいっているわけではない。
そうじゃなくて、しんどいことを避ければ、それ相応のしわよせがあってしかるべきだ、ということを思うのだ。