長野での聖火報道について

今週末の「聖火騒動」について、一般的なニュースの扱いとしては、

聖火リレーの妨害が行われた
・愛ちゃんと鈞ちゃんが悲しそうな顔をした
・日本人の逮捕者が出て、中国人のけが人が出た

ということに終始していた。

私が見たなかでの例外は「サンジャポ」だった。
そこでは、沿道の中国人が、大使館経由で中国当局が意図的に送り込んだ人間だということが公然と指摘されていた。

日中記者交換協定というものがある。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E4%B8%AD%E8%A8%98%E8%80%85%E4%BA%A4%E6%8F%9B%E5%8D%94%E5%AE%9A

詳しくは上記を見てほしいが、「中国(大陸政府)について、不利な報道をしてはならない」という協定だ。

中国を嫌う人々は、この記者協定があるから、日本のマスコミは中国のことをまともに報道していない、とおっしゃる。

僕はこの見解には批判的である。協定があるのは事実だが、日本国内で中国に不利な報道がまったく行われていない、なんてことはない。むしろ、かなり偏って中国側に不利な報道が繰り返されているときだってある。もし記者協定が常に有効であれば、教科書騒ぎのときや、重慶でのサッカーの報道はどうなるのだ、という話だろう。

ただ、一方で、少なくとも今回の「聖火リレー騒動」の報道に関しては、おそろしいくらい中国に配慮した「偏向報道」となっていたことは間違いない。

たとえば、現地に参加したあるチベット支持者の方の日記は以下のとおりである。(ミクシィに参加していない人用に、文末に本文を抜粋したものを載せています)

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=787996903&owner_id=2071143&comment_count=193&

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=788238433&owner_id=2071143&org_id=787996903&

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=788440554&owner_id=2071143&&mfre=1
(筆者の意志により無限に転載可能)

僕は、日本のマスコミの報道と同程度にしか、上記の日記を信用していない。ただ、上記の日記を読むのと読まないのとでは、ずいぶん印象が違うだろう。

もう一度、冒頭に戻ろう。

○日本の報道の概要

聖火リレーの妨害が行われた
・愛ちゃんと鈞ちゃんが悲しそうな顔をした
・日本人の逮捕者が出て、中国人のけが人が出た

上記の3点は「事実」である。

これに対してコメンテーターが訳知り顔で語る「悲しい出来事です」という言葉も、間違いではない。

でも、事実が「それだけ」であったとはとても信じられない。

サンジャポ」のなかで語られた、中国当局が動員をかけたという事実、それから、日記のなかにあるように、日本の警察がそれを保護しようとしていたという事実がもし本当だとして、それをマスコミが意図的に報じなかったとすれば、それはある意味で「チベット国内で弾圧が行われている」という事実よりも、我々にとっては重いことだと私は思う。

ひとつは、社会の安全弁であるはずの言論の自由が権力によって封殺されている(そのことすら、認識できない)ということ。

もうひとつは、そのことが、自国政府ではない、外国の主導によって行われているということ。

この2つが真であれば、事態はそうとうまずい、と言わねばならない。


ともあれ、上記の3つの日記については、ぜひとも読んでいただきたいと思う。意見を述べるのは、それからでもいい。



<以下、あるデモ参加者の日記>


世界最低の国、日本 2008年04月27日00:39

聖火リレー、行ってきました。
まず皆さんにお願い。
この日記を転載、リンクして頂いてかまいません。
動画3つまでしか載せれないため、
動画ありと書かれたものは僕のメインページの動画にあります。

4/26日を振り返ります。

早朝、善光寺へ向かった。
Mちん、Tさん、F君、Yちゃんと5人で。

町には何台もの大型バスが乗り入れ、中国人が降りてくる。
僕らがそれぞれ旗を作り、プラカードを作り、前日からカラオケボックスで寝ていたのに対し、
彼らは中国大使館から支給された巨大な旗と、チャーターバスで堂々登場した。

善光寺参拝が終わり、街中へ。
とりあえず聖火リレー出発地点へ向かった。
ここで日本とは思えない景色を目にした。

出発地点に、中国の旗を持った人は入場できるが、チベットの旗を持った人は入れない。
警察の言い分。
「危険だから」
じゃあ、何で中国人はいいんだ?
「......ご協力お願いします。」

は?
それやらせじゃん。
中国国旗しかない沿道って、警察が作ってるんじゃん。

その時の抗議の様子

この後TBSの取材が来た。
チベットサポーターの1人が、
日中記者交換協定があるから映せないのか?」とアナウンサーに聞いた。
アナウンサーは「は?勝手に叫んでれば?」
と吐き捨てて消えた。

街中に行くとどこに行ってもFREETIBETと叫んでいる。
そこに中国人が押し寄せ、罵声を浴びせてくる。


交差点で中国人と僕らが入り乱れた。
突然Mちゃんが顔面を殴られた。
僕は殴った中国人のババアを捕まえて、目の前の警察に言った。
「こいつ殴ったぞ!!」
警察は何もしなかった。

ババアが俺の手を噛んだ。手から血が出た。
警察と目が合った。
警察は何もしなかった。

ババアが僕の顔面を殴ってきた。
周りのチベットーサポーターが、
「おい、警察、現行犯だろ、捕まえろよ!!!!」
と言ったのに、
警察は何もしなかった。

これが抗議活動中じゃなかったら、普通にブチ切れて乱闘になってる。
でも非暴力を貫く為、ひたすら耐えた。

Mちゃんが1日かけて一生懸命書いたプラカードを、
中国人が叩き落とした。
拾おうとするMちゃん。踏みつける中国人。
「おい、てめー何やってんだよ!」と制止に入った。
2mくらいの距離に警察がいたが、何もしなかった。


街中いたるところで抗議合戦。
救急車が来たり大騒ぎ。
僕らはひたすら抗議活動をした。
(動画あり)

雨が降ってきた。
それでも誰も抗議を辞めなかった。
中国人がかたまってる交差点を、
Tさんと旗を振りながら渡った。
沿道の中国人は蹴りを入れてくる。
とても沿道に入れず、車道を歩いていた。
警察が来て言った。
「早く沿道に入りなさい!!」
は?今入ったらボコられるじゃん。
なんで日本人の安全を守ってくれないの?
「じゃあ、あいつらに蹴りいれるの辞めさせろよ!!」と僕は叫んだ。
警察は「ご協力お願いします」と言った。


雨の中、聖火リレーのゴール地点へ向かった。
何故か中国人とチベットサポーターに分けられた。
警察は、「後で聖火の方に誘導するから。」と言った。
嘘だった。
ゴールの公園の外の何も無いスペースにチベットサポーターは閉じ込められた。
聖火なんか、どこにもなかった。
目の前には警察が何十人も取り囲んでいた。
こんな場所じゃ、声すら届かない。
数百人のチベットサポーターは、泣きながら警察に向かって叫ぶだけだった。
国境無き記者団もこちら側に来させられていた。
代表がマスコミのインタビューに答えていた。
(裏から撮影した動画あり)

聖火リレーがいつ終わったのかも分からないまま、
土砂降りの中僕らは叫び続けた。
この声を、伝えることすら出来ないのかと思ったら涙が溢れてきた。
MちゃんもF君も泣いていた。
こんなのってあんまりだ。
せめて伝えて欲しいだけなのに。
この叫びを聞いていたのは目の前に並んだ警察だけだった。



チベット人の代表が弾圧の現状を訴えた。
涙が止まらなかった。
内モンゴルの代表が弾圧の現状を訴えた。
涙がとまらなかった。

伝えたい。ただ伝えたいだけなのに、国家権力によって封殺された。
悔しい。悔しい。

日本は最低な国だ。
平和だ、人権だと騒ぐ割には、
中国の圧力に負けて平気でこういう事をする。
警察を使って。

帰りに携帯でニュースを見た。
聖火リレーは無事終了。沿道は大歓迎ムード。」
聖火リレーで日本人5人逮捕。中国人留学生に怪我。」

僕は愕然とした。
この国のマスコミは終わったと感じた。

あの怒号は、
僕らが受けた痛みは、
彼らの悲痛な叫びは、
どこに反映されたのだろう。


警察によって意図的に中国人のみの沿道を作り、
そこをマスコミは撮影し、
中国人の暴力を黙認して、日本人を逮捕する。
これが日本のやることか?
ここは本当に日本なのか?
中国の旗を持たないと歩けない沿道って何なんだ?

この国は最低な国です。
チベット人は泣きながらありがとうと言っていたけれど、
僕は彼らに謝りたかった。
初めて日本人であることを恥じた。

帰り道、僕らは泣いた。


これが真実です。
僕は日本政府は中国以下だと思った。
弾圧にNOを言えずに、言いなりになって彼らの叫びを封殺したこの国は、もう民主主義国家ではない。

4/26日長野。
そこには言論の自由はなかった。
歩行の自由すらなかった。
中国人を除いて。


追記:どなた様も、転載の許可必要ありません。
報告だけしていただけると、反応が見れて嬉しいのでお願いします。
動画が消えたりするるみたいですが、また報告していただけたら何度でも載せなおします。
マスコミの嘘つき。大嫌い。
FREE TIBET!!