オスカーピーターソン@東京国際フォーラム

東京国際フォーラムにて、オスカーピーターソンのライブ鑑賞。

前座は上原ひろみ

Another Mind

Another Mind

以前、NHKに出てるのを偶然見て「いいな」と思っていたので期待していたのだが、なかなかのものでした。彼女のライブならまた行ってみたい、と思いました。

15分の休憩を挟んでピーターソン登場。

ん?

何か演奏が変。

オスカーピーターソンといえば、「超絶技巧」という言葉が悪口になるくらい、テクニックで鳴らした人。にもかかわらず、あたかもモンクみたいなアウトトーン・アウトテンポが目立つ。

最初はわざとだと思って聴いてたのだが、段々、「これはマジで指がもつれてるのかもしれない」と思うようになった。

所詮は私の耳による判断なので、信用できないことはなはだしいが、ピーターソンはもしかすると、どこか悪いのかもしれない。指が思ったように動かないのかもしれない。

もちろん、だからといって演奏そのものが悪かったのかどうかと聴かれれば、悪かったとは思わない。やはり彼はそんじょそこらのミュージシャンとは違う。奏でる音楽には風格がある。それは間違いないのだけれど、要するに他を圧倒するような神のごとき演奏ではなかった、そういうふうに感じたということである。

そういう意味では、10月5日に同じ国際フォーラムで聴いたジョアン・ジルベルトの演奏は神がかっていた。

例えるなら、画聖が描く絵にはねた絵の具がそのまま「絵」となるように、ジョアンの奏でる音、漏れるため息はすべて「音楽」になっていた。音楽を志す人すべての理想型が、ジョアンの演奏にはあった。

ジョアンの昨年の演奏はこちらのアルバムです)
ジョアン・ジルベルト・イン・トーキョー

ちなみに、オスカーピーターソンカルテットのギタリスト、ウルフ・ワケーニウスは超かっこよかったっす。