ジャズについて書くということ
私は音楽をやっているから、音楽について、特にジャズについて書くことも少なくない。
けれど、ほとんどジャズについて書かれたものは読まない。ほんというと、まったく読まないわけでもないのだけれど、あまり好きではないし、ライナーノーツなんかはたいていの場合、時間を返してくれと思うようなものが多いのも事実だ。
私の知的好奇心の方向性・範囲の問題はたしかにある。基本的に、音楽のトリヴィア的な要素を嫌っているのである。音楽って、そういうもんじゃねえだろう、と。
けれど、そういうものを割り引いても、音楽について書かれたものがほとんどの場合、つまらないということもたしかなんじゃないだろうか。
どうして、音楽について書かれたものはつまらないのだろうか。
それは、おもしろい「音楽について書かれたもの」のことを考えればわかる。
私がいままで読んでおもしろかった「音楽について書かれたもの」は、ミュージシャンの辞典と、音楽の歴史だった。逆にいえば、それ以外のものはつまらなかった。つまり、「評論」「批評」の類でおもしろいものにめぐり合える可能性なんて皆無なのだ。
私はいったい何がいいたいのだろうか。