屋久島の旅

白谷雲水郷にて


10月15−18日の日程で、屋久島に行ってきた。以下、ミクシィにアップ済みの日記をアップする。写真は残念ながら一枚だけ。ほかの写真をご覧になりたい方は下記まで。

http://photos.yahoo.co.jp/naosuke_t


四季の宿尾之間


今回の屋久島滞在でお世話になったのは「四季の宿尾之間」さん。マイミクのこばっちさんの親友の嫁ぎ先だ。

http://www.h3.dion.ne.jp/~yasuakim/

宿のコテージからは霊峰・モッチョム岳が見事に見える。すばらしいお宿だった。

今回の屋久島は観光半分、ライブ半分だったわけだが、そのライブの半分が、まだ生まれて1ヶ月の藍ちゃんのために捧げられた。写真は藍ちゃんを抱くこばっちさん。

10月15日、空港からタクシーで尾之間へ。5000円くらいかかってしまった。今回は雨も降っていたし、まさか旅行メンバーのうち運転ができる人間が自分1人だとは考えもしなかったからレンタカーをペンディングしたのだが(笑)、予定がしっかりたっている人であれば、迷わずレンタカーをチョイスすべきだと思う。屋久島は車がないと観光しづらいところだった。

宿について、ご主人から散歩コースを教えてもらい、尾之間温泉まで1時間ほどのお散歩。ヤクザルの歓迎を受ける。


屋久杉の話


屋久島といえば、屋久杉。

島には、本当にたくさんの屋久杉が生い茂っている。

「杉」という言葉でイメージされる、あの材木用の真っ直ぐな樹木とは違う、うねりを伴った力強い木々。おそらくこの姿のほうが、杉本来のものなのだろう。

屋久杉は本当にいろんな生え方をしている。有名なところでは「切り株更新」。伐採された杉の切り株の上に苔が蒸し、そこに杉や、その他の植物の種子が着生する。切り株の上は地面よりも日に近く、生存条件がよいため、周囲の木々より大きく育つ。「二代杉」「母子杉」など、切り株更新によって生まれた巨木は少なくない。

http://www.sizenken.biodic.go.jp/isan/y024.htm

生態学的なことはよくわからないけれど、こうした切り株更新は、屋久島が持つパワーを象徴的に表わしているように思う。決して肥沃な土壌ではないのだけれど、暖かな気候と豊かな水(←おそらくこれが、もっとも大きな要因だと思う)があってはじめて、こうした劇的な植生が誕生するのだ。

今回は縄文杉まで行くことはできなかったが、屋久杉ランドと白谷雲水峡という、島を代表する2つの森で、屋久杉やヤマグルマがおりなす屋久島の森林世界を体験することができた。

森から溢れる生命力は、そこにいる者の命を確かに高めてくれる、と思った。


美味しい水


屋久島は水が豊かだ。

堅い岩盤で覆われ、決して肥沃とは言えない土壌にもかかわらず、他に類を見ないほど深い原生林が形成されるのは、何よりこの島が水に恵まれているからにほかならない。

海からの湿った空気は、常に屋久島の2000m級の山々にぶつかり、雨雲を作り、多くの雨を降らし、あっという間に消え去る。屋久島が「月35日雨が降る島」と言われるゆえんだ。

地面はほとんど水を吸わないから、降り注いだ雨水の多くはあっという間に海へと流れていく。小さな島にもかかわらずあちこちに見られる巨大な滝、どこでも飲める澄んだ水はそのようにして成立しているのだと思う。そして、屋久島の象徴ともいえる苔類は、抜群の保水力で流れゆく水を森に留めている。

信じがたいほどのバランスで営まれる森。「シシガミ」をいないと感がえるほうが無理がある。

ところで、人間の身体も80%以上が水とされる。そういう存在である人間が屋久島からどんな影響を受けるのか。この豊かな水の影響を受けないなんてことがあるだろうか?

数年前『水はすべてを知っている』という新書があった。
トータルでいえばニューエイジ系のとんでも本だとは思うのだが、その主張はいろいろな示唆に富んでいたと思う。

人が生きるのと、水が生きるのは、ほとんど同じことなのだ。

この島はそういう「当たり前」に気づかせてくれる。


屋久島でライブ


屋久島滞在3日目、10月17日はホテル「あかつき」さんでライブだった。

マイミクのsosoさんこと、重松壮一郎さん、こばっちさんこと、小場未明さんと共演させていただく。

集まってくれた方の大部分は屋久島在住者だったとのこと。生命力あふれる島で生きる彼らは、ライブにも生命力を与えてくれた。sosoさんが終了後に言っていたけれど、「こんなすごいライブはめったにない」というくらい、すばらしい時間をすごさせていただいた。

僕の大学の先輩の、プロトロンボーンプレイヤーのtommyさん(マイミク)が以前、「初めてライブをやった時にもらった拍手。あの気持ちよさがあるから、今もライブをやってるんや」という言葉を思い出す。

そう。あの気持ちよさがあれば、ほかのものは何もいらない(こともないけど)。それくらい気持ちがいいのです、ライブは。