『東京ファイティングキッズ』を読みながらインプロビゼーション(即興演奏)について考える。

インプロビゼーションに僕が「関係ある」と思ったのは、
「時間の外延を現在の中にもつ」という、平川克美氏の言葉だ。

過去、現在、未来を単線的な流れの中に置くのではなく、未来、過去を現在の中に含みこむような「在り方」をすること。それが、即興演奏に必要なことなのではないか、ということが、今のところの僕の着想である。

例えば、ある楽器の音を聴いてから、それに反応する、ということでは、「私の演奏」は絶対的な遅れの中に取り残されることになる。これは当たり前の話である。しかし、インプロヴィゼーションではしばしば、周囲の音を聴くことが大切である、ということが言われる。これは矛盾ではないのか。

しかし、周囲の音を聴き、それに反応しているにもかかわらず、「私の演奏」が周囲に遅れない、ないしは「周囲の演奏に先んじる」ことさえある、というのがよいインプロヴィゼーションの条件である。

だとすれば、よいインプロヴィゼーションとは、武術家・甲野善紀氏が言うところの「矛盾を矛盾なく矛盾のまま取り扱う」という真理に合致したものではないだろうか。

この矛盾に対応するアイデアの1つが、先に述べた、時間の外延を現在の中に持つ、という理説であり、その方法論としての「脳を割る」ことである。

これについては、また明日書くことにしよう。


今日は、田臥選手(フェニックス・サンズ)のデビューの日だった。
7得点、1アシスト。周囲の控え選手たちがもっとがんばってくれたら、4アシストには届いていただろう。10分間の出場で、立派な成績だと思う。来週は生で見よう。